HP ENVY 12 x2のレビュー!使い勝手のよさとSIMフリー対応が魅力
「HP ENVY 12 x2」の実機レビューをお届けします。
「レビューを全部読む時間がない!」
という方のために、レビューしてわかった「おすすめポイント」と「注意点など」を、最初に挙げておきます。
- 「持ち運びのしやすさ」と「使い勝手のよさ」にこだわったタブレットPC
- キーボードドッグがケースのようになる
- 耐衝撃性にすぐれるゴリラガラスのディスプレイ
- 最大約 17時間の長時間バッテリー
- SIMフリー対応。4G LTEの高速通信でネット接続もできる。
- アクティブペンにも対応(Spectreアクティブペンが付属)
■「HP ENVY 12 x2」のおすすめポイント
- キーボードは英語キーボード
- SDカードやSIMカードを頻繁に抜き差しする使い方には向いていない(トレーを出すのにピンなどが必要なため)
- ペンで描いたときの描き始めが少しズレるのが気になった
■注意点など
■レビュー機のスペック
液晶 | 12.3型(WUXGA(1920×1280)、ブライトビュー、IPSタッチディスプレイ) |
---|---|
サイズ | 約 W293 × D214 × 厚さ15.5mm |
重さ | タブレットのみ:約778g タブレット+キーボードドック:約1.24kg |
CPU | インテル Core m3-7Y30 / Core i5-7Y54 |
メモリ | 4GB / 8GB |
ストレージ | SSD:128GB / 256GB |
バッテリー駆動時間 | 最大 約17時間 |
今回のレビュー機は、スダンダードモデル(Core i5-7Y54、メモリ8GB、256GB SSD)です。
↓目次で、ある程度の内容がご確認いただけます(クリックすると、その項目に飛びます)。
目次
▶「HP ENVY 12 x2」はとにかく「持ち運びのしやすさ」と「使い勝手のよさ」にこだわったタブレットPC
「HP ENVY 12 x2」は、とにかく「持ち運びのしやすさ」と「使い勝手のよさ」に力を入れていることが伺えるタブレットPCです。
タブレットPCなので、キーボードドッグを取り外してタブレットのみで使うこともできます。
キーボードドッグがケースのようになる
キーボードドッグを取り外して、↓このようにケースのようにすることができます。
側面は露出してしまうので完全なケースではありませんが、タブレットを包み込むような形になります。
耐衝撃性にすぐれるゴリラガラスのディスプレイ
なお、ディスプレイには耐衝撃性にすぐれ、引っかき傷のつきにくいゴリラガラスが採用されています。
▲ゴリラガラスのディスプレイ
3つのモードに切り替えて使える
「HP ENVY 12 x2」は、3つのモードに切り替えて使うことができます。
キーボードドッグの接続部分の近くに、3つのモード絵柄がかいてあります。
3つのモードは、慣れれば簡単に切り替えられますよ。
ノートブックモード
一般的なノートパソコン形態のモード。
なお、ディスプレイの角度を細かく調整することはできません。
リーディングモード
ノートブックモードよりも、より角度がついたモード。
タブレットモード
アクティブペンで何か描いたりするときなどに便利。
シャットダウンしてあってもすぐに電源が入る
HP ENVY 12 x2は、「コネクテッド・モダンスタンバイ」という機能を搭載しており、シャットダウンしてあってもCPUが低消費電力で動作し続けています。
この機能のおかげで、シャットダウンしてあってもすぐに電源が入るようになっています。
最初、「あれ?電源を切り忘れていたのかな?」と思ったほど、電源をオンにしたときの立ち上がりが早かったです。
最大約 17時間の長時間バッテリー
最大約 17時間の長時間バッテリーを搭載しているので、ちょっとした用事であれば、ACアダプターを持っていかなくても大丈夫そうです。
この長時間バッテリーも、使い勝手のよさに貢献しています。
▶アクティブペンにも対応
HP ENVY 12 x2は、アクティブペンに対応しているので、ペンでイラストを描いたりもできます。
▲Spectreアクティブペンも付属します
Spectreアクティブペンは、キーボードドッグのペンホルダーに収納しておくこともできます。
↓こんなふうにタブレットモードにして、間にタオルをはさみ、イラストを描きやすい角度にしたりもできます。
アクティブペンでのイラストの描き心地
CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)をインストールして、付属のSpectreアクティブペンでのイラストの描き心地をチェックしてみてました。
線を引いているときは、ズレは気にならなかったのですが、線の描きはじめのときに、少しズレることがあるのが気になりました。
イラスト描きを「メインの用途」としてHP ENVY 12 x2を使うのは、ちょっと使いづらい気がします。
Spectreアクティブペンは、1024段階の筆圧検知ですが、強弱はまずまずつけられました。
▶CPU、SSDの性能チェック
CPUの性能はまずまずといったところ
スタンダードモデルのCPUは「インテル Core i5-7Y54 プロセッサー」です。
パスマークのCPUパフォーマンステストの数字は 4462で、まずまずの性能といったところ。ビジネス用途には十分な性能でしょう。
ちなみに、ベーシックモデルのCPUはインテル Core m3-7Y30です。
Core m3-7Y30のパスマークでの平均スコアは3550なので、当然のことながら、最近のCeleronなどの廉価版CPUよりもスペックは上です。
SSDのデータ転送速度は速い
スダンダードモデルは、高速なPCIe接続のSSDなので、SSDのデータ転送速度は速いです。
ベーシックモデルの場合は、これよりも少し遅くなると予想されます(SSDの接続方式が違うため)。
SSD情報
SK hynix(SKハイニックス)製のSSDでした。
※同じ型番のノートパソコンでも、上記とは異なるメーカーのSSDが搭載されている可能性もありますのでご了承ください。
▶キーボード
英語キーボードなので慣れないと使いづらいかも
「HP ENVY 12 x2」のキーボードは、英語キーボードです。
▲クリックで拡大
英語キーボードは変換キーなどがないので、ある意味余計なキーがなくてスッキリしているとも言えます。
エンターキーなどの形が違うので、普段日本語キーボードを使っている方は、慣れが必要でしょう。
浅めで、打ちはじめが少し硬めのタイピング感
キーボードドッグの厚みがかなり薄いので、タイピングすると浅く感じます。
キーを打ち始めたときの感触を少し硬めにしておいて、打ちごたえを持たせている感じです。
パームレスト(キーボード入力するときに手をのせるところ)に手をのせると、こんな感じです。
パームレストに手のひらは乗り切らなかったのですが、キーボードドッグ自体が薄いので、段差はとくに気にはなりませんでした。
タイピング音が硬めなため、音が少し響きやすい
タイピング音についてですが、タイピング音が硬めなため、音が少し響きやすいです。
うるさいわけでもなく、かといって静かでもない、といったところです。
キーボードにバックライトを搭載
キーボードはかなり薄いのですが、それでもバックライトを搭載しています。
キーボードのバックライトは、F5キーでオン・オフができます。暗いところでの作業に役立ちます。
タッチパッド
タッチパッド(イメージパッド)は、縦幅が狭めです。スペースの都合上、これは仕方ない部分かなと思います。
▶スピーカー
バランスがよく、広がりのあるサウンド
「HP ENVY 12 x2」は、オーディオメーカーBang & Olufsenと共同開発のスピーカーを搭載しています。
▲スピーカーは、ディスプレイ左右の上の方にあり
スピーカーは音質のバランスがよく、広がりもほどよくあります。
音源によっては少しPCスピーカーっぽさを感じることもありましたが、音抜けがよく、かといって高音が強すぎないので、なかなかよい音だと思いました。
▶液晶画面
IPS液晶で発色がよい。視野角も広い
視野角をチェックしてみます。結論から言うと、IPS液晶ということもあり、視野角は広いです。
↓横から角度をつけて見たところ。
↓上から角度をつけて見たところ。
視野角は十分な広さです。
グレア(光沢)液晶のテカり対策
「HP ENVY 12 x2」の液晶は、鮮やかで綺麗な液晶ではありますが、グレア液晶(光沢液晶)なので、光の映り込みはしやすいです。
注文時に、「HP ENVY 12 x2」に対応した低反射タイプの液晶保護フィルムを一緒に買うこともできるので、画面のテカリが気になる方は、低反射のフィルムを貼るとよいでしょう。
▶サイズ、重さ
A4サイズにかなり近いサイズ
B5サイズのノートとA4サイズ用紙とのサイズ比較です。
「HP ENVY 12 x2」の上に「黄色のB5ノート」を置き、下に「白いA4用紙」を敷きました。
▲左に白のA4用紙が少しだけはみ出している
A4サイズにかなり近いサイズなので、ビジネスバッグで持ち運びしやすいサイズです。
重さの実測:本体+キーボードドッグで「1,244グラム」
「本体+キーボードドッグ」で「1,244グラム」でした。メーカーサイトには約1.24kgとあったので、ほぼ同じですね。
(タブレットのみだと約778gです。)
ACアダプターの重さは「291グラム」なので、本体と合わせると合計1,535グラムです。
最長約17時間のロングバッテリーなので、ちょっとの用事でしたらACアダプターを持ち運ぶ必要はなさそうです。
▶静音性のチェック
ファンレスなので普段はとても静か
CPU負荷がかかったときに、どれくらいうるさくなるのか試してみました。
ファンレスなので、普段はとても静かです。
あえて大きく負荷をかけたところ、48.7db程度まで動作音がなりましたが、激しくうるさくなったりはしない印象です。
■騒音(デシベル数)の目安
かなりうるさい | 70db | 騒々しい事務所の中 |
---|---|---|
うるさい | 60db | 走行中の自動車内、普通の会話 |
普通 | 50db | 静かな事務所 |
静か | 40db | 閑静な住宅街、図書館 |
とても静か | 30db | 深夜の郊外 |
ほとんど聞こえない | 20db | 雪のふる音 |
※表はあくまで目安です。
普段はとても静かなので、大きく負荷をかけ続けるような使い方をするのでもなければ、図書館など静かな場所でも周囲を気にせず使えるでしょう。
▶外観は、シックで大人なテイスト
「HP ENVY 12 x2」の外観は、キーボードドッグがレザー(革)っぽい素材なので、大人っぽい雰囲気です。
▲レザー調のキーボードドッグで、シックで大人なテイスト。
側面は隠れないので、完全なカバーではありませんが、簡易的なカバーとしての役割は果たしてくれていると思います。
▲キーボードドッグの裏面
タブレットのみにすると、↓こんな感じのアルミニウム削り出しボディで、シンプルながら高級感があります。
細かい部分のディテールや質感
モダンでシンプルなHPのロゴが、よいアクセントになっています。
キーボードドッグはレザー調の質感。
Webカメラも搭載。
背面にも約1300万画素のカメラを搭載しているので、スマホ感覚で写真をとることも可能。
左右側面とインターフェイス
■左側面
インターフェイスは左から、
- ヘッドフォン出力 / マイク入力コンボポート
- USB Type-C 3.1(電源オフUSBチャージ機能対応)
- microSDカードスロット(トレイタイプ)
■右側面
インターフェイスは左から、
- nanoSIMカードスロット(トレイタイプ
- 音量ボタン
- USB Type-C 3.1(電源オフUSBチャージ機能対応)
バッテリーへの充電は、USB Type-C端子につないでおこないます。USB Type-Cに接続して使うACアダプターが付属します。
microSDカードとnanoSIMカードは、ピンでトレイを出して入れる「トレイタイプ」
「microSDカード」と「nanoSIMカード」は、穴にピンを挿してトレイを出して、そこにカードを入れます。
トレイタイプであるため、「microSDカード」や「nanoSIMカード」を頻繁に抜き差しして使うのには向いていませんが、
カードを挿しっぱなしにしても、横にはみ出したりしないので、バッグなどに入れるときに邪魔になりません。
▶ SIMとのセットモデルもあり
IIJmio(アイアイジェイミオ)の「データ通信専用SIM」とのセットモデルも販売されています。
「データ通信専用SIM」とのセットモデルの場合、購入してSIMカードが届いたあとで、IIJのサイトから契約をおこなう形になります。
▲一度カンタンな設定をしてしまえば、あとはSIMカードを入れるだけで簡単にネットにつながります。
IIJmioのSIMは、格安SIMの中でも料金が安い部類に入ると思いますし、データ通信専用の12GBプランに関しては最安のようです(※2018年9月現在)。
「HP ENVY 12 x2」の購入と合わせてデータ通信SIMの申し込みもする予定でしたら、IIJmioとのセットモデルを購入してしまえば、
どの会社のSIMにするかを考える手間やSIMカードが届くまでのタイムラグも省けると思います。
▶「HP ENVY 12 x2」のレビューまとめ
「HP ENVY 12 x2」のレビューのまとめです。
- キーボードは英語キーボード
- SDカードやSIMカードを頻繁に抜き差しする使い方には向いていない(トレーを出すのにピンなどが必要なため)
- ペンで描いたときの描き始めが少しズレるのが気になった
■注意点など
- 「持ち運びのしやすさ」と「使い勝手のよさ」にこだわったタブレットPC
- キーボードドッグがケースのようになる
- 耐衝撃性にすぐれるゴリラガラスのディスプレイ
- 最大約 17時間の長時間バッテリー
- SIMフリー対応。4G LTEの高速通信でネット接続もできる。
- アクティブペンにも対応(Spectreアクティブペンが付属)
■「HP ENVY 12 x2」のおすすめポイント
「HP ENVY 12 x2」は、英語キーボードのモデルしかないので、そこで迷う方もいらっしゃるかと思います。逆に、英語キーボードが好きな方にはいいと思います。
キーボードドッグがケースのようになったり、すぐに電源が入ったり、SIMフリーに対応しているなど、とにかく「使い勝手のよさ」を重視して作られているように感じます。
使い勝手はよいと思うので、そこに価値を感じる方向けのタブレットPCでしょう。