レノボ「ThinkPad X1 Carbon Gen 10」実機レビュー!さすがの完成度でおすすめの1台!

レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10のメイン画像

Core i5~i7 メモリ8~32GB
最大2TB SSD OLED選択可

「レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10」の実機レビューです。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10は、軽くてキーボードも打ちやすい14型ノート。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10の外観 天板側

細かい部分の使い心地にも配慮された作りで、デザインもよいので、かなりおすすめのノートパソコンです。

カスタマイズ可能モデルなら、OLED(有機EL)ディスプレイも選択できます。

なお、この記事は、

という構成になっています。

冒頭の「おすすめポイント・特徴」「デメリット・注意点」をご覧いただくだけでも、ポイントや注意点をチェックしていただけます。

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▶ レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10を公式サイトで見てみる

なお、レビュー機はメーカーからの貸出品です。
※貸出品であっても、レビューはデメリットも含めて誠実に行います。

▶おすすめポイント・特徴

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のおすすめポイント・特徴

ポイント

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のキーボード

▲タップ・クリックで拡大

  • ほどよい打鍵感とスムーズなキーストローク
  • キートップに凹みがあり、指先の力が逃げにくい
  • カーソルキーは、凸型にしっかりスペースを確保してあり使いやすい

などの要素があいまって、キーボードがタイピングしやすいです。

さらに詳しくは、キーボードの項目をご覧ください。


ポイント

ThinkPad X1 Carbon Gen 10の外観 天板側

アメリカ国防総省制定MIL規格に準拠した12項目の品質試験をクリアした、堅牢性の高いボディです。

また、ブラックのボディに、レッドがアクセントに使われた外観も、ThinkPadならではのカッコよさです。


ポイント

▼ThinkPad X1 Carbon Gen 10のカスタマイズ可能モデルは、

  • Core i5-1235U
  • Core i7-1260P
  • Core i7-1280P

など、9つのCPUラインナップから選択して注文できます。

※2023年3月6日現在。
製品番号によって、カスタマイズ可能項目が異なります。

パワーを重視したいなら、Core i7-1260Pなど、後ろにPが付いたPシリーズのCPUがオススメです。

さらに詳しくは、CPU性能の項目をご覧ください。


ポイント

ディスプレイ

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のディスプレイは、カスタマイズ可能モデルの場合、7つのディスプレイから選択可能(米沢生産モデルを除く)。
※2023年2月22日現在

「タッチ対応ディスプレイ」や「解像度2880×1800のOLED(有機EL)ディスプレイ」も選べます。

詳しくはディスプレイの項目をご覧ください。


ポイント

WebカメラのThinkShutter

開閉式のWebカメラカバー(ThinkShutter)を搭載しているので、Webカメラを物理的に隠せます。

プライバシー面でも安心です。


ポイント

カスタマイズ可能

一部モデルは、OS、CPU、メモリ、ストレージ、ディスプレイ、天板素材、通信モジュール、NFC(近距離無線通信)、キーボード、ACアダプターなどのカスタマイズが可能。

製品番号によって、カスタマイズ可能項目が異なります。
※部材状況などにより、カスタマイズ可能内容が変更になる場合もあるかもしれません。

好みに応じた仕様にできます。

なお、2023年2月19日現在では、「米沢生産モデル」はそれ以外のカスタマイズ可能モデルと比べると、カスタマイズ可能項目が少ないです。


▶デメリット・注意点

デメリット・注意点など

注意点 一番左下のキーが[Ctrl]ではなく[Fn]キー

キーボードの一番左下のキーが、[Ctrl]ではなく[Fn]キーです(Windowsのキーボードは、一番左下は[Ctrl]キーであることが大半)。

キーボードの左側

キーボード一番左下が[Fn]キーであること自体は、操作性が悪いとは思いませんが、

Windows用デスクトップPC向けキーボードの一番左下のキーは、[Ctrl]キーであることが大半のため、デスクトップPCと使い分ける場合はミスタイプにつながるかもしれません。

▼なお、Lenovo Commercial Vantageの設定で、FnキーとCtrlキーの機能を入れ替えが可能です。

CtrlキーとFnキーの機能入れ替え


注意点 SDカードリーダーは非搭載

SDカードリーダーは非搭載なので、SDカードを使いたい方はご注意を。

SDカードを読み込むには、SDカードリーダーが別途必要です。


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▶スペック表

■ThinkPad X1 Carbon Gen 10のスペック

OS Windows 11 Home / Pro / 10 Pro
ディスプレイ 14型
・WUXGA(1920×1200)IPS液晶、ノングレア(タッチ非対応または対応)
・2.2K(2240×1400)IPS液晶、ノングレア
・2.8K OLED、反射防止
・WQUXGA(3840×2400)IPS液晶、グレア
・WQUXGA(3840×2400)IPS液晶、反射防止、タッチ対応
CPU インテル Core i5-1235U / i5-1240P / i5-1245U / i5-1250P
Core i7-1255U / i7-1260P / i7-1265U / i7-1270P / i7-1280P
メモリ 8GB / 16GB / 32GB
ストレージ SSD:256GB / 512GB / 1TB / 2TB
グラフィックス インテル Iris Xe
サイズ 約315.6×222.5×15.36mm(構成により異なる)
重さ 約1.12~1.15kg(公称値)
その他 Wi-Fi 6E(Wi-Fi 6Eは日本では利用不可)、Bluetooth 5 / 5.2(構成により異なる)

※カスタマイズで選択できる項目も含みます。
※2023年2月17日時点のスペックです。今後変更になる可能性があります。

■今回のレビュー機のスペック

「インテル Core i5-1235U、メモリ16GB、256GB SSD、WUXGA液晶(解像度1920×1200)、ノングレア(光沢なし)、タッチ非対応(製品番号:21CB008SJP)」

―― ThinkPad X1 Carbon Gen 10の使いやすさチェック ――

▶テレワークやWeb会議に役立つ機能

・プライバシーを保護するWebカメラ

開閉式カメラカバー(ThinkShutter)付きのWebカメラを搭載。

ThinkShutter

ThinkShutterをスライドさせて、カメラにフタをしておけます。

ThinkShutterを閉めておけば、万が一、カメラへ不正アクセスされてもプライバシーを保護できます。

オンラインミーティングなどで、不用意に自分が映り込むのを防ぎたい場合にも便利です。

なおWebカメラは、モデルによっては

  • フルHDカメラ(1080p)
  • フルHD・IRカメラ(1080p)
  • フルHD・MIPI(人感検知機能)付きカメラIRカメラ(1080p)

の3つから選択できます。
※2023年2月19日現在。

▼実際に、Windowsのカメラアプリを起動して撮影した写真が以下。

▲ThinkPad X1 Carbon Gen 10のウェブカメラで撮影。

▼3000円ほどで購入したフルHD(1920×1080ピクセル)の外付けウェブカメラで撮影した写真。

▲エレコム「UCAM-C820ABBK」で撮影した写真(比較用として)

どちらも同じ光源(天井のLED照明のみ)で撮影しました。

外付けウェブカメラよりも、ThinkPad X1 Carbon Gen 10のカメラの方が、色味も自然でキレイに撮れています。

ノートパソコンのウェブカメラとしては高画質です。

・Glance by Mirametrix

プリインストールされている「Glance by Mirametrix」により、画面ののぞき見防止などができます。

プライバシーガード

プライバシーガードは、他人からの画面の「のぞき見」を検知すると、画面にぼかしをかけてくれる機能。

プライバシーガード

プライバシーアラート

プライバシーアラートは、他人からの画面の「のぞき見」を検知すると、アラートを表示してくれる機能。

プライバシーアラート

デジタルウェルネス

20分経過すると目の休憩をうながしてくれたり、画面に顔が近づきすぎると警告を出してくれたりする機能。

デジタルウェルネス

その他、Glance by Mirametrixには

  • スマートディスプレイ:画面を見ていない場合ときはディスプレイにぼかしをかける
  • スマートポインター:外付けディスプレイを接続してマルチモニター環境にしたときに、見ている画面の方にマウスポインターを自動で移動

などの機能もあり、機能別にON・OFFが可能です。

ミュートマイクボタン

F4キーでマイクのオン・オフを切り替えできます。

マイクミュート

オンラインミーティングなどで、「発言しないときはマイクをOFFにしたい」ときなどに便利です。

ドルビーボイスのノイズキャンセリング機能

プリインストールされている「ドルビーボイス」のノイズキャンセリング機能を利用して、オンラインミーティング時のノイズを抑制できます。

ドルビーボイスのノイズキャンセリング機能

どれくらいノイズキャンセル効果があるのか?

オンラインミーティング中に、しゃべりながら手をたたいてみたところ、相手側には途切れ途切れで手をたたく音が少し聞こえたそうです。

チャイム音は聞こえなかったとのこと。

なお、相手方の音声からノイズを消す機能(スピーカーのノイズキャンセリング機能)はないようです。

4つの360°集音マイク

ディスプレイ上部に4つの360°集音マイクを搭載。

集音マイク

Web会議でテストしてみたところ、相手にもクリアに音声が届いたとのことです。

▶キーボード

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のキーボード

▲タップ・クリックで拡大

  • ほどよい打鍵感とスムーズなキーストローク
  • キートップに凹みがあり、指先の力が逃げにくい
  • カーソルキーは、凸型にしっかりスペースを確保してあり使いやすい

などの要素があいまって、キーボードがタイピングしやすいです。

キーボードがタイピングしやすい点だけでも、ThinkPad X1 Carbon Gen 10を選ぶ価値があると思いますよ。

▼キートップ(キーの表面)には、ゆるやかな凹みがあります。

キートップのアップ画像

▲キートップに光をあてて凹みのラインを出したところ

キーの中心が指先でわかりやすくなり、指先の力も逃げにくくなるので、タイピングしやすいキートップです。

▼カーソルキーが、パームレスト側にスペースを広げてとってあり、使いやすいのも嬉しいポイント。

キーボードの右側

ただし、Enterキー左側あたりに小さくなってしまっているキーもあります。

キーボードの打鍵音は、やや小さめです。

キーボードを斜め上から

▼トラックポイントでは、カーソル操作などができます。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のトラックポイントとセンターボタン

また、センターボタンを押した状態でトラックポイントを操作すると、縦横にスクロールできます。
 

Fキーは、[Fn]+[Esc]キーでファンクションロック(本来Fnキーを押す必要がある機能を、Fnキーを押さずに使えるようにする)できるので、好みに応じて設定するとよいでしょう。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のFキー

▼なお、スタートメニュー ⇒ Lenovo Commercial Vantageの設定で、FnキーとCtrlキーの機能を入れ替え可能です。

FnキーとCtrlキーの位置を入れ替え

▼F12キーの特殊機能には、好みの機能を選んで割り当てできます。

Fキーへの機能割り当て

キーピッチなど

デスクトップPC向けキーボードとの比較

▲デスクトップPC向けキーボードと比較したところ

▼一部のキーを除いて、タイピングしやすいと言われる19ミリ程度のキーピッチ(キーとキーの間隔)がありそうです。

キーピッチ

▼かなり手が大きい人でなければ、パームレストは十分な広さでしょう。

パームレストに手をのせたところ

パームレストに手をのせたところ:横から

キーボードバックライト

キーボードのバックライトは、Fn+スペースキーでオン・オフができます。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のキーボード・バックライト

明るさは2段階で調整可能。

タッチパッド

タッチパッドは、上側に左右ボタンが付いているタイプです。

タッチパッド

個人的には、タッチパッドがボタンを兼ねた一体型のタッチパッドよりも、こちらの方が使いやすくて好みです。

なお、タッチパッドの部分も物理的に押下することもできます。

▼ちなみにキーボードを打つときに、手の母指球(ぼしきゅう)あたりがタッチパッドにふれても、カーソルの誤動作は起きづらかったです。

手のこのあたり(母指球)がタッチパッドにふれてもカーソルが誤動作しにくい

テキスト入力中にカーソルが誤操作で動いてしまい、間違ったところに入力してしまう、といったことが起きにくいので、快適に使えるでしょう。

なお、タッチパッドの有効・無効をショートカットキーで切り替えることはできないようです。

▶スピーカー

ThinkPad X1 Carbon Gen 10は、底面にスピーカーを搭載。

レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10のスピーカー

ちなみに、キーボード左右のスピーカーグリルのような穴は、スピーカーではないようですが、ここから音が抜け出てくので音抜けがよいです。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のキーボード

点数にすると、100点満点中:75点くらいです。
※ノートパソコンのスピーカーとしての点数です。また、あくまで個人の感想です。

音抜けがいいので、オンラインミーティングなどでも、相手の声がクリアで聞き取りやすいのも嬉しいポイントでしょう。

なおDolby Atmos(ドルビーアトモス)で、ゲーム、映画、ミュージック、音声などに合わせた音質に変更できる他、好み応じてカスタムもできます。

Dolby Atmos(ドルビーアトモス)

▶ディスプレイ

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のディスプレイは、カスタマイズ可能モデルの場合、7つのディスプレイから選択可能です(米沢生産モデルを除く)。
※2023年2月22日現在

ディスプレイ

7つを列挙してもまとまりがないので、ポイントのみ記載します。

■選択できるディスプレイのポイント

  • 解像度:1920×1200、2240×1400、2880×1800、3840×2400の4つ
  • 2880×1800のみOLED(有機EL)ディスプレイ
  • タッチ対応パネルもアリ
  • 3840×2400のタッチ非対応ディスプレイのみ「光沢あり」(それ以外は、「光沢なし」または「反射防止」)

とくに、OLEDディスプレイは反射防止コーティングがされているようなので、OLEDディスプレイを選びたい方には嬉しいポイントかもしれません。

▼今回のレビュー機のディスプレイは、以下です。

■レビュー機のディスプレイ詳細

  • 14型、WUXGA液晶(1920×1200ドット)、 ノングレア(非光沢)
  • リフレッシュレート:60Hz
  • アスペクト比(縦横比):16:10

アスペクト比16:10は共通です。

視野角

角度をつけて見ても若干暗く見える程度で、それほど見づらくはなりませんでした。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のディスプレイ正面

ThinkPad X1 Carbon Gen 10の視野角チェック 横から見たところ

▲横から見たところ

ThinkPad X1 Carbon Gen 10の視野角チェック 上から見たところ

▲上から見たところ

視野角は広いです。
 

▼ディスプレイは180度開くので、商談やプレゼンで対面の人に画面を見せたいときにも使い勝手がよいです。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のディスプレイを開けるところまで開いたところ

ディスプレイの映り込みについて

レビュー機のディスプレイは、ノングレア(光沢なし)なので、映り込みしにくいです。

ディスプレイの映り込み具合

作業中に照明や周囲のものが画面に映り込みにくいので、実用的です。

※ただし、カスタマイズで選択できるディスプレイの中には、反射防止や光沢ありディスプレイもあります。

また、30th Anniversary Editionは反射防止ディスプレイです。

・色域

色域

■カバー率

sRGB 100%
DCI-P3 77%
Adobe RGB 77%

※あくまで当サイトで計測した結果です。環境や計測機器によって違いが生じる可能性があります。

※WUXGA(解像度1920×1200)のIPS液晶ディスプレイ搭載モデルの結果です。
OLEDディスプレイやWQUXGA(解像度3840×2400)ディスプレイ搭載モデルは、より広い色域(DCI-P3カバー率100%)をカバーしています。

sRGBカバー率が100%ですし、ノートパソコンの液晶ディスプレイとしては広めの色域をカバーしています。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10の用途を考えると、多くの方には十分な色域をカバーしたディスプレイと言えるでしょう。

▶バッテリー駆動時間

■バッテリー駆動時間の実測

JEITA Ver.2.0測定法 最大約24.9時間
※メーカー公称値(利用状況・環境による)
PCMark 10 Modern Office 9時間27分
30分で充電できたバッテリー量
※付属ACアダプター(45W)を使用
約32%
  • 電源モードの設定:バランス
  • バッテリー節約機能:バッテリー残り20%以下でオン
  • ディスプレイの明るさ:50
計測項目についての詳細はここをタップ(クリック)

■「PCMark 10 Modern Office」について

ソフトウェア「PCMark 10」で計測したバッテリー駆動時間を掲載しています。
PCMark 10 Modern Officeのバッテリーライフテストでは「ドキュメント作成、ウェブサイト閲覧、ビデオチャット」を実際におこなってバッテリー駆動時間を計測します。テスト中はアイドル時間の割合が多いため、バッテリー消費が比較的ゆるやかなテストです。

バッテリー駆動時間自体が短いとは思いませんが、

最大約24.9時間(JEITA Ver.2.0測定法)の公称値と比べると、実際に使える時間が短く感じるのは否めないところでしょう。

※JEITA測定法Ver. 2.0でのバッテリー駆動時間と比べると、実際に使用したときのバッテリー駆動時間はだいぶ短くなることが大半です。

ちなみにテストした範囲では、20W出力程度のUSB PD対応充電器やモバイルバッテリーからも充電できましたので、モバイルバッテリーで電力を補うのもいいかもしれません。

(詳しくは、USB PD充電器からの充電の項目をご覧ください)

仕様によって、バッテリー駆動時間が上記と大きく異なる可能性があります。

・USB PD充電器からの充電

USB PD(Power Delivery)対応の充電器をUSB 4端子に接続し、ThinkPad X1 Carbon Gen 10側へ充電してみました。

※USB PD=USBケーブルを介して受給電を可能にする規格のこと。

PD充電器の最大出力
充電の可否
20W(フィリップス製)
※高負荷の作業をしながら充電した場合、バッテリー残量が減りました。
30W(RAVPower製)
※高負荷の作業をしながら充電した場合、バッテリー残量が減りました。
45W(Anker製)
65W(CIO製)

20Wなどの低出力の充電器からでも、一応充電できるのは嬉しいところです。

ちなみに、ThinkPad X1 Carbon Gen 10自体に電源コネクターはなく、付属のACアダプターもUSB Type-C端子につないで使います。

ですので、PD充電器のワット数が足りていれば、普通に充電可能です。

今回のレビュー機の付属ACアダプターは最大45ワット出力でしたので、もしPD充電器を調達されるなら、45ワット出力以上のものを選ぶとよいと思いますが、

カスタマイズではACアダプターには65WのACアダプターも用意されているので、より早く充電したい場合は、65W出力のPD充電器を選ぶとよいでしょう。

▶インターフェイス

右側面

右側面

マイクロホン / ヘッドホン・コンボ・ジャック

USB 3.2 Gen 1(Type-A)

セキュリティキーホール

左側面

左側面

Thunderbolt 4 / USB 4(Type-C)(最大5120×3200ドット、60Hz)

Thunderbolt 4 / USB 4(Type-C)(最大5120×3200ドット、60Hz)

USB 3.2 Gen 1(Type-A)

HDMI端子(最大3840×2160ドット、60Hz)

インターフェイスは少なくはありませんが、冒頭の注意点にも記載のとおり、SDカードリーダーはありません。

▶その他の機能

指紋認証対応の電源ボタン

電源ボタンは、指紋認証に対応しています。

電源ボタン

▶静音性

負荷がかかったときに、どれくらいうるさくなるのか試してみました。

静音性チェック時の騒音計の位置

使用時の耳の位置などを考慮し、ヒンジ部より高さ30cm×奥行き30cmの距離から計測。

アイドル時 ほぼ無音
※耳を近づけると小さなノイズが聞こえる程度
ベンチマークテスト時 最大41.7db程度

※充電時やバックグラウンドでアプリケーションが動作している場合など、アイドル時であっても、ある程度ファン音がする場合があります。
※今回は、「ファイナルファンタジー14暁月のフィナーレ ベンチマーク」実行時のdb数を計測しました。あくまで当サイトで計測した場合の音の大きさですので、上記よりも大きな音がしないことを確約するものではありません。

ベンチマークテスト時は「少し音がしているな」と感じる程度で、それほど大きな音はしませんでした。

より高性能なCPUを選択した場合は、またどうなるか分かりませんが、レビュー機においては「静かな場所でも使いやすい」という印象です。

■騒音(デシベル数)の目安

かなりうるさい 70db 騒々しい事務所の中
うるさい 60db 走行中の自動車内、普通の会話
普通 50db 静かな事務所
静か 40db 閑静な住宅街、図書館
とても静か 30db 深夜の郊外
ほとんど聞こえない 20db 雪のふる音

※表はあくまで目安です。

▶サイズ

A4用紙とThinkPad X1 Carbon Gen 10の大きさの比較

 ▲A4用紙とのサイズ比較

ThinkPad X1 Carbon Gen 10を折りたたんだ様子:斜め上から

大学ノート(セミB5) 252×179mm
A4サイズ 297×210mm
ThinkPad X1 Carbon Gen 10 約315.6×222.5×厚さ15.36mm(構成により異なる)

幅×奥行きは、A4サイズよりも少しだけ大きいです。

▼A4サイズ対応の標準的な大きさのビジネスバッグでも持ち運びしやすいサイズ感。

ビジネスバッグに入れているところ

※この画像はサイズ感の目安として載せています。実際の持ち運びには、インナーケースやノートパソコン収納部を備えたバッグやリュックのご利用をおすすめします。

▶重さの実測:約1,174グラム

ThinkPad X1 Carbon Gen 10の重さ:実測

本体 約1,174g
ACアダプター+電源ケーブル 約248g

14型のノートパソコンとしてはやや軽量です。

比較的持ち運びしやすい重さでしょう。

なお、公称値の重さは以下のとおりです。

  • 通常モデル・米沢生産モデル:約1.12kg~
  • 30周年記念モデル:約1.15kg(平均値)

USB PD充電器、モバイルバッテリーからの充電の項目に記載のとおり、PD充電器からも充電できます。

ACアダプターの代わりに、より軽量なPD充電器を持ち運ぶのもアリでしょう。

「レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10」を公式サイトで見てみる
 

―― ThinkPad X1 Carbon Gen 10の処理性能チェック ――

■レビュー機のスペック

CPU インテル Core i5-1235U
メモリ 16GB
ストレージ 256GB SSD
グラフィックス インテル Iris Xe
Core i5-1235U搭載モデルの処理性能の概要

ビデオ会議、ワードやエクセルでの作業などには十分余裕のある性能です。

一番解像度の低いWUXGA液晶ディスプレイでもsRGBカバー率:100%なので、画像編集に使うのにもよさそうです。

より広い色域を求めるなら、2.8K OLEDやWQUXGA(解像度3840×2400)ディスプレイもあります。

動画編集もある程度できますが、専用GPU搭載ノートと比べると、レンダリングには時間がかかります。

▶CPU性能

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のCPUは、モデルによって以下の9つがあります。

■搭載CPUのラインナップ

  • Core i5-1235U
  • Core i5-1240P
  • Core i5-1245U
  • Core i5-1250P
  • Core i7-1255U
  • Core i7-1260P
  • Core i7-1265U
  • Core i7-1270P
  • Core i7-1280P

※2023年3月5日現在

今回のレビュー機のCPUは、以下です。

■レビュー機のCPU

  • インテル Core i5-1235U
  • 10コア(Pコア×2、Eコア×8) / 12スレッド
  • Pコア:最大周波数4.40GHz、Eコア:最大周波数3.30GHz

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のCPU-Z情報

CINEBENCH R23

CINEBENCH R23は、CPU性能を計測できるベンチマークソフトです。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のCINEBENCH R23スコア

マルチコア 7425
シングルコア 1549

■他の薄型ノートパソコン向けCPUとのCINEBENCH R23マルチコアスコア比較

Core i7-1260P 8648
Ryzen 5 5560U 7855
Ryzen 5 5500U 7477
Core i5-1235U
(レビュー機)
7425
Core i7-1255U 6673
Core i7-1250U 6364
Ryzen 5 4500U 6210
Core i7-1195G7 6109
Core i7-1165G7 5077
Core i7-1160G7 4636
Core i7-10710U 4532
Core i5-1135G7 4420
Core i5-10210U 4051
Core i5-1155G7 3957
Ryzen 3 4300U 3944
Core i5-1035G1 3474
Core i3-1115G4 3216
Pentium Silver N6000 1993
Celeron N5100 1471
  • レビュー機以外は平均値を掲載(当サイトで計測。2023年3月5日現在)。
  • 数字が大きいほど高パフォーマンス。

レビュー機はCore i5-1235U搭載ながら、Core i7-1255Uのスコアの平均を上回っており、CPUパフォーマンスが十二分に発揮されている印象です。

デュアルファンなどによる冷却性能のよさが表れた形でしょう。

CPU Mark

ベンチマークソフト「PassMark PerformanceTest」のうち、CPU性能のスコアをあらわすのが「CPU Mark」です。

スコアが高いほど、CPUの処理性能が高いです。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のPassMark CPU Markスコア:17728

スコア 17728

PassMarkでの同CPU(Core i5-1235U)の平均スコア13634を大きく上回るスコアでした。

※2023年2月27日現在の平均値

CPUパフォーマンスは、しっかり出ていると言っていいでしょう。

やはり、CPU性能がしっかり出ていると見て取れますね。

Geekbench 6(CPU Benchmark)

「Geekbench 6」は、スマートフォンやPCの性能を測定できるベンチマークソフトです。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10のGeekbench 6スコア

Single-Coreスコア 2112
Multi-Coreスコア 8579
  • 「CPU Benchmark」の結果

Geekbench-6は、macOS、Windows、Linux、Android、iOS用がリリースされているので、お持ちのデバイスとスコアを比較してみるのも面白いでしょう。

▶グラフィックス性能

レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10のグラフィックスは「インテル Iris Xe グラフィックス」です。

 ThinkPad X1 Carbon Gen 10のGPU-Z情報

3DMark ベンチマークスコア

3DMark

Fire Strikeスコア 4187
Time Spyスコア 1422
ドラゴンクエストX ベンチマーク
最高品質 1920×1080 5148 快適
ストリートファイターV ベンチマーク

ストリートファイターV ベンチマーク

解像度 平均フレームレート・結果
1920×1200 56.23 FPS スペック不足
1680×1050 59.84 FPS 快適

※ストリートファイターVは、60FPSで表示できればOKなので、少し解像度を落とせばプレイできそうです。

ファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ ベンチマーク

FF14 暁月のフィナーレ ベンチマーク

標準品質 1920×1080 8799 快適

※グラフィックス設定は「ノートPC」向けの設定にて計測。


というわけで、ゲーミングノートほどグラフィックス性能が高いわけではありませんが、CPUに内蔵されたグラフィックスとしては高い性能です。

ドラゴンクエストXなど、軽めの3Dゲームなら遊べる程度のグラフィックス性能はあります。
 

▶SSDのデータ転送速度

SSDのデータ転送速度

高速なPCIe4.0 x4 SSDです。

ノートパソコンでは、PCIe3.0 x4のSSDもまだ多いですが、PCIe3.0の理論上の転送速度は最大4,000MB/sなので、それよりもさらに高速です。

フォルダ間でのデータコピーなどがより早くおこなえるので、快適に使えるでしょう。

SSD情報

SSD情報

Western Digital(ウエスタンデジタル)製のSSDでした。

※同じ型番のノートパソコンでも、上記とは異なるメーカーのSSDが搭載されている可能性もあります。

SSDのカスタマイズについて

ちなみにThinkPad X1 Carbon Gen 10のカスタマイズ可能モデルは、最大2TBまでSSD容量を増やして注文できます。
2023年3月5日現在。米沢生産モデルは最大1TBでした。

※部材などの状況により、カスタマイズ可能項目が変更になる場合もあるかもしれません。

―― ThinkPad X1 Carbon Gen 10の外観・その他のチェック ――

▶外観

マットなブラックのボディに、レッドがアクセントになっていて、ThinkPadならではのカッコイイ外観です。

レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10の外観。斜め上から

アメリカ国防総省制定MIL規格に準拠した12項目の品質試験をクリアした、堅牢性の高いボディです。

このあたりは、軽くて剛性に優れたカーボン素材を使っているメリットでしょう。

なお、カスタマイズ可能モデル(米沢生産モデルは除く)は、天板を「ブラックペイント」または「カーボン柄」から選択できました。

※カーボン柄へのカスタマイズは有料。
※30th Anniversary Editionの天板はカーボン柄です。

今回のレビュー機は「ブラックペイント」です。

カーボン柄が入っていなくても、天板にカーボンは使われており、マットな質感で、これはこれでカッコイイですね。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10の外観 天板側

なお、ThinkPad X1 Carbon Gen 10の「30th Anniversary Edition」の天板は、カーボン柄になるとのこと。

起動中は、天板にあるThinkPadロゴの一部が赤く光ります(スリープ時はゆっくり点滅)。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10の天板ロゴのアップ

ThinkPad X1 Carbon Gen 10の底面

パームレストのアップ

▼なお30th Anniversary Editionは、天板とパームレストのThinkPadロゴが、通常のカラーリングとは異なります。

30th Anniversary Edition

※写真は英語キーボードですが、出荷製品は日本語キーボードです。

▶付属品など

付属品一式です。

ThinkPad X1 Carbon Gen 10の付属品

  • ACアダプター
  • 電源ケーブル
  • 購入証明書
  • 簡易マニュアル
  • PCリサイクルマークシール申込書
  • サポートのしおり

などが付属。

※付属品は変更になる可能性があります。

▶レノボ「ThinkPad X1 Carbon Gen 10」のレビューまとめ

「レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10」のレビューのまとめです。

レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10の外観 見映え

ThinkPad X1 Carbon Gen 10は、やはりさすがの完成度といったところ。

  • タイピングしやすいキーボード
  • トラックポイントや左右ボタンなど、作業スピードアップに役立つ機能
  • スライドカバー付きのWebカメラ
  • 高い堅牢性

など、実用性が高く、使いやすいノートパソコンをお探しの方にもうってつけです。

かなりおすすめのノートパソコンですよ!

ただ、高めのスペックにカスタマイズすると、なかなかのお値段になってしまうので、

ハイスペックな仕様を求める方はThinkPad X1 Carbon Gen 10の「30th Anniversary Edition」を検討してもいいかもしれません。

30th Anniversary Editionは、カスタマイズ注文はできませんが、

Core i7-1260P、メモリ32GB、512GB SSD、2.8K OLED反射防止ディスプレイ、5G対応といった仕様で297,000円(税込)
※2023年3月7日現在の価格

安くはないですが、ThinkPad X1 Carbon Gen 10の中ではコスパは高いと思います。

とにかく、ThinkPad X1 Carbon Gen 10は、

「多少値が張っても、使いやすいモバイルノートが欲しい」

という方には、非常にオススメです。

>> レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10を公式サイトで見てみる <<

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